taskey小説家インタビュー Vol.18 「日野貴之」
公開日:
:
最終更新日:2016/02/26
taskeyユーザーインタビュー
みなさんこんにちは! taskey U編集部の伊藤です。
暖かい日が続くかと思えばまた寒くなり、三寒四温を肌で感じています。皆様も、体調を崩さないようにお気を付けください。
さて、今回はtaskeyで『オウリアンダ』や『思いつくまま短歌』などを執筆されている日野貴之さんへのインタビューをお送りいたします。
初めての執筆
伊藤:日野さん、はじめまして。本日はよろしくお願いします!
伊藤:早速ですが、taskey Uをご覧の皆様に向けて、自己紹介をお願いできますか?
初めまして日野貴之と申します。小説を書くのはオウリアンダが初めてです。
自分の文章がきちんと皆様に正しく伝わっているのかまだまだ疑問で、知人に作品を読んでもらってはその都度アドバイスを頂いています。
矛盾が生じない物語をコンセプトにして作品を書いています。
伊藤:『オウリアンダ』が初めての作品なんですね! 構成が緻密で展開もダイナミックだったので、年季の入った書き手の方なんだと感じていました。
伊藤:次に、小説を書き始めたきっかけを教えていただけますか?
足を骨折して何もすることがなく、ひたすら絵を描いたり携帯小説を読んでいました。
その絵や携帯小説にも飽きてしまいPCをいじっていると、自分が過去に書きかけていた、小説ではない日記のような文章データが見つかりました。
それを見た時に、この文章を小説としてちゃんと完成させようと思ったのがきっかけです。
伊藤:そういえば、『オウリアンダ』にも自分の行動を日記に書き記すシーンがあったような…おっと、これは読んでからのお楽しみですね。
作品ピックアップ『オウリアンダ』
伊藤:taskeyで執筆中の『オウリアンダ』は、一言で表すならば「アンダーグラウンド」な作品だと思うのですが、どのような経緯でこの作品を書こうと思われたのでしょうか?
この作品は処女作なので、小説を始めたきっかけに通ずる所がありますが、僕自身が夜の世界で働いていた経験があり、いろいろなモノを見てきたことが大きいです。
僕が読んだ携帯小説はヤクザや不良が美化され非常に格好良く書かれており、自分の見てきた世界とはかなり違いました。それに疑問を感じたのが執筆のきっかけです。
しかし全てをノンフィクションにしてしまうと、自分の伝えたい事は伝え切れないと感じたので、あえてジャンルはアクションにしています。
それとノンフィクションを謳って嘘を盛り込むような真似をしたくなかったのもあります。
伊藤:従来の不良小説へのアンチテーゼが含まれているのですね。主人公のターカはだらしない青年として描かれていますが、そこがまた人間臭くて、味のある人物造形に成功していると感じました。
作品ピックアップ『思いつくまま短歌』
伊藤:新連載の「思いつくまま短歌」は内容が独特で、こちらも大変面白かったです。何故「短歌」という形式に挑戦しようと思われたのでしょうか?
今でこそlove it!をつけてくださる方がいますが、オウリアンダは最初かなり伸び悩んでました。
自分なりに考えた結果、『無料であるからこそ、面白いかどうかもわからない長い作品を読む気になれないのでは?』と思いました。
そこでまずは自分の世界観を理解して頂くために、短い詩の代名詞である短歌を選びました。
正直、その作戦が成功しているのかはわかりませんが(笑)
伊藤:「お試し」みたいな感覚で書かれているわけですね。面白くて短く、さくさく読めるので、作戦は大成功だと思いますよ!
尊敬する・影響を受けたもの
伊藤:尊敬する、もしくは影響を受けた作家や作品があれば教えていただけますか?
影響は受けていませんが、尊敬しているのは筒井康隆さんです。『残像に口紅を』を読んだ時には衝撃を受けました。
章が進むごとに使える文字が一つ減る状況で、作品を一つ仕上げれる作家はそうそういないのではないでしょうか。
影響を受けた作品は映画の『カラーズ』『時計じかけのオレンジ』雑誌の『ラジオライフ』です。
伊藤:筒井康隆氏へ数年前にライトノベルを出版するなど、今でも精力的な活動を続けていて凄い作家だと私も思います。影響という点に関しては、小説よりも映画や雑誌などに影響を受けているのですね。様々なメディアがある中、小説以外から影響を受けて小説を書く人は、今後も増えていきそうですね。
小説執筆で気をつけていること
伊藤:小説を執筆する上で気をつけていることはありますか? 技術面と心理面のそれぞれについて教えていただきたいです。
小説に関してはあまり読まないですし、僕は本当に初心者です。
ですので技術面で気をつけていることは、凝った文章ではなく状況が把握しやすくわかりやすい文章にすることと、読者の方に疑問が残らない様に気をつけています。
心理面に関しては、主人公の思考が他の作品では悪役として扱われる位汚くする事に気をつけて書いています。
主人公が綺麗事ではなく、どれだけ本音を吐くかが僕にとっては重要です。
伊藤:『オウリアンダ』はこねくり回した表現もなく、すっきりしていて読みやすいですよね。主人公ターカの思考、私はなかなか好きなのですが、確かに残酷なことを平気でする面もあり、全面的に共感できるキャラクターではありませんね。
さいごに
伊藤:taskey Uをご覧の皆様、そして、これから創作活動の第一歩を踏みだそうとしている皆様に向けて、一言お願い致します!
皆さんも色々な作品を見るなり読むなりしていて、疑問を感じた事があると思います。
まるで正義の味方のような海賊や不良が出てくる漫画が僕にとっては大変疑問です。
作品を読んで疑問を感じたら、自分で自分を納得させることの出来る作品を書いてみると面白いですよ。
taskey様はサイトも使いやすく、これからどんどん利用者が増えるのではないかと思っています。
サイトは生き物のように日々進化していて、これからどんなサイトになるか非常に楽しみです。
伊藤:「自分で自分を納得させることの出来る作品」を書く、というのはなかなか難しいと思いますが、クリエーターが忘れてはならない心構えの一つですね。taskeyも皆様の思いを受け止めるにふさわしいサイトになれるよう、日々進化していきたいと思います! インタビューを受けてくださり、本当にありがとうございました!!
日野さんの作品を読まれたい方はこちら
※taskey Uでは、小説家の方に対しインタビューを行っています!インタビューをご希望の方は、info@taskey.me宛に以下の事項を添えてご連絡ください。自薦・他薦共に随時受け付けております。
■お名前(著者名)
■あなたの小説作品のURL(※他サイトでも構いません)
■400字程度の作品の紹介
Cover photo by Vadim Timoshkin on Flickr
taskeyで小説を書く→taskey | 世界中のクリエイターと共に、スマートフォン小説をつくろう


- taskey U編集長を退任いたしました。お世話になりました。 - 2016年3月4日
- 小説を書く人は、ブログも書いてみるべし - 2016年1月23日
- taskey Uで12月にたくさん読まれた記事ベスト5! - 2016年1月20日
関連記事
-
-
taskey小説家インタビュー Vol.11 「桜林薫」
みなさんこんにちは!taskey U編集部(以下、「編集部」)です。 本日
-
-
taskey小説家インタビュー Vol.10 「numaza0」
みなさんこんにちは。taskey U編集部です。 前回のインタビュー(taskey小説家インタ
-
-
taskey小説家インタビュー Vol.17 「田口逍遙軒」
みなさんこんにちは! taskey U編集部の伊藤です。 今年の冬は特別寒い気がするのですが、
-
-
taskey小説家インタビュー Vol.8 「神威遊(かみいゆ)」
みなさんこんにちは、季節の変わり目に、秋花粉と戦っているtaskey U編集部(以下、「編集部」)で
-
-
taskey小説家インタビュー Vol.7 「橘川 真古一」
みなさんこんにちは!秋の夜長に、小説を片手に涼むことが最高に幸せなtaskey U編集部です。
-
-
taskey小説家インタビュー Vol.16 「白さくら」
taskey Uをご覧の皆様、新年明けましておめでとうございます。 年末年始も、心ゆくままに小
-
-
taskey小説家インタビュー Vol.5 「マタナシ 猫又」
みなさんこんにちは、taskey U編集部です! taskey Uでは、人気の小説家、期待の小
-
-
taskey小説家インタビュー Vol.4 「nyan」
taskey Uでは、素晴らしい小説家さんたちにインタビューをしています!
-
-
taskey小説家インタビュー Vol.14 「服部 一太」
みなさんこんにちは。連日の寒さから、コタツにミカンが恋しいtaskey U編集部です。 tas
-
-
taskey小説家インタビュー Vol.1 「kao._.」
taskey Uでは、素晴らしい小説家さんたちにインタビューをしています!