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文豪にチャレンジ!太宰治の入門的おすすめ小説5選

公開日: : 最終更新日:2016/02/26 おすすめ小説

ENTERY
こんにちは、taskey U編集部の伊藤です。

皆さんは普段、どのような小説を読まれますか?
小説家を目指す身であれば文豪と言われた人々の作品も読んでおきたいところです。しかし、なかなか手が出ないという人も多いのではないでしょうか。

そんな方の為に、今回は初心者でも読みやすい太宰治の入門的おすすめ小説を5つ選んでみました!

太宰は難しくない

6357936645_4bfa4faf4e_bPhoto by Alon on Flickr

まず皆さんに理解していただきたいのは、「太宰は決して難しくない」ということです。

文豪の作品の中には、現在の感覚では非常に読みにくいものもあります。
泉鏡花や森鴎外の作品をすらすらと読みこなすのは至難の業でしょう(もちろん、これらの作品にも良いところはたくさんあります)。

そういった作家に比べると、太宰は主に昭和期に活躍した作家ですので、現代の我々でも読みやすい作品が多いのです。

入門的おすすめ小説5選

8799104563_4dfff70b37_hPhoto by Kool Cats Photography over 4 Million Views on Flickr

今回は、「おもしろい・読みやすい」作品を中心に選ばせていただきました。

太宰はいわゆる「文学的」な作品もたくさん書いているのですが、そういったものはまた別の機会にご紹介させていただきたいと思います。

なお、太宰治の作品はほぼ全て青空文庫で読むことができます。

お伽草子

『お伽草子』は、以下の4編を収めた短編集です。

  • 「瘤取り」
  • 「浦島さん」
  • 「カチカチ山」
  • 「舌切り雀」

タイトルから分かるように、鎌倉から江戸にかけて成立した『御伽草子』に収められた昔話をアレンジしたものです。

元になった作品はどれも絵本などで有名なものばかりなので、大まかなストーリーをご存じの方が多いのではないでしょうか。

このように、昔からある作品にアレンジを加えて新たな物語を生み出すことを「翻案」と言います。

太宰は特に好んでこの手法を使ったというわけでも無いのですが、他にも『新釈諸国噺』や「竹青」、「清貧譚」なども翻案小説です。

元の話とは違った解釈で描かれており、私は特に「浦島さん」に登場する亀が大好きです。大変なひねくれ者です。

お伽草紙-青空文庫

畜犬談

「畜犬談」は、とても犬嫌いな主人公が、一匹の野良犬に付きまとわれてしまうという筋のお話。短編なので、すぐに読むことができます。

冒頭から犬に対する恐怖を大げさに書いており、ここだけでも十分に面白いです。

私は太宰のいじらしくて可愛いところが大好きなのですが、この作品でもそれは十分に発揮されており、最終的に犬嫌いの男が犬とどう向き合っていくのかというところが見どころです。

『御伽草子』と同様、「太宰って、こんなユーモラスな作品を書くんだ…」と驚いた作品の一つ。嫌な気持ちになっているときに読むことをおすすめします。

畜犬談-青空文庫

葉桜と魔笛

「葉桜と魔笛」は、私が太宰の中で最も好きな作品です。まず、タイトルが美しい。

もちろん、内容も負けず劣らず美しい仕上がりになっています。老婦人の回想という形で、病床に臥した妹に来た手紙にまつわる物語が展開されます。

作品の途中に、こんな言葉があります。

僕たち、さびしく無力なのだから、他になんにもできないのだから、せめて言葉だけでも、誠実こめてお贈りするのが、まことの、謙譲の美しい生きかたである、と僕はいまでは信じています。

via:葉桜と魔笛-青空文庫

私はこの箇所を読む度に、「完璧だな」と溜め息をついてしまうのです。もちろん前後関係も含めて素晴らしいと評価できる言葉なので、是非一度読んでみてください。

葉桜と魔笛-青空文庫

ろまん燈籠

「ろまん燈籠」は、太宰が書いた小説の中で最も構造的に優れている作品です。

物語は、とある家族が書いた連作小説として進んでいきます。もちろんこの作品は全て太宰が書いているのですが、作品の内部に更に複数の書き手を作り出しているのです。

その連作小説の内容というのも、お堅いものではなくて西洋風のファンタジー。「むかし北の国の森の中に、おそろしい魔法使いの婆さんが住んでいました。」から始まります。

この作品が凄いのは、作品の内部にいる書き手の特徴が、うまく彼らの書いたファンタジー作品の中に滲みでてきているというところです。

劇中劇というものは数多く見てきました。しかし、小説中小説、しかも連作小説は今の私たちが読んでも新鮮な驚きに満ちています。

ろまん燈籠-青空文庫

あさましきもの

「あさましきもの」はとにかく短い。太宰の雰囲気に慣れるためには持ってこいの作品です。
5分あれば読めるので、この記事の最後までたどり着いたら是非チャレンジしてみてください。

太宰といえば『人間失格』が有名ですが、ここにも同じようなモチーフを扱ったシーンが描写されています。

太宰の典型的なイメージは「ズルくてろくでもない」というものだと思っているのですが、それをコンパクトに体現しています。

文章も美しいので、全文印刷して1日1回読むのもおすすめです。そうして太宰の雰囲気に慣れてから、長編作品に挑戦するというのも良いでしょう。

あさましきもの-青空文庫

さいごに

以上、太宰治の入門的おすすめ作品を5編紹介させていただきました。

読みやすさに特にこだわらないということであれば、『人間失格』をまず読破するというのが王道だと思います。
しかし、『人間失格』に途中で挫折してしまった、あるいはパラパラとめくってみて挫折しそうという方は、是非とも紹介した作品を読んでみてください。

太宰を読んだ経験が、あなたの書く原動力になりますように。

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伊藤 祥太
伊藤 祥太
「よく読み、よく書く」をモットーに。小説執筆に役立つ記事を書いています。「無間書房」という文芸同人の代表をしています。

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