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瑞々しい感性がよみがえる、おすすめ少女小説9選

公開日: : 最終更新日:2016/02/26 おすすめ小説

syoujosyousetu

こんにちは、アンバサダーの神田澪です。
本好きな人であれば、誰にでも子供の頃の読書体験があるのではないでしょうか。

私の読書への入り口は、ずばり「少女小説」でした。今でも、折に触れて読み返すことがあります。

今回は、大人になった今でも鮮やかに記憶を彩る、少女小説の名作を9作品紹介させていただきます!

少女小説とは

そもそも、少女小説とはどのようなものを指すのでしょうか。
人によって定義は様々ですが、この記事の中では以下のように定義させていただきたいと思います。

  • 主人公の少女時代から物語が始まること。
  • 現在は児童を中心として親しまれている本であること。

要するに「少女にとって身近な小説である」と考えていただければ結構です。

赤毛のアン

言わずとしれた、L・M・モンゴメリによる名作シリーズの第1巻です。

主人公のアン・シャーリーは、そばかすだらけの顔と赤い髪の毛にコンプレックスを持つ少女。
快活で、美しいものを愛するロマンチストな面もあります。
同世代の少女であれば、自然体なアンに共感するところも多いのではないでしょうか。

幼くして両親を亡くしたアンは、これといった引き取り手が見つからず、知り合いの家や孤児院などを転々とします。
そんな折、アンは手違いでプリンス・エドワード島にすむ老兄妹に引き取られました。
最初は互いに困惑していたものの、家族として少しずつ心を通わせていって……というストーリーです。

アンを通して見る世界の美しさ、切なさ、そして尊さには、誰もが心を揺さぶられるでしょう。

小公女

数ある少女小説の中でも、私の人生に最も大きな影響を与えたのが、フランシス・ホジソン・バーネットの『小公女』。

まだ読んだことがないという人には、ぜひおすすめしたい作品です。

主人公のセーラ・クルーは資産家の娘としてイギリスのミンチン女学院に入学します。
優しく聡明なセーラは、学年問わず多くの生徒に慕われました。

しかし、転機は突然訪れます。
なんと、富豪であった父が突然他界し、その上事業が破綻したという知らせが届いたのです。

学院の中でも格別の待遇を受けていたセーラは一転、屋根裏部屋で使用人として働くことになりました。

しかし、そんな状況でもセーラの気高い精神は揺るがず、低い身分になろうとも「公女様のようにふるまう」ことを忘れません。
当時、同じくらいの年齢だった私は、そんな彼女の姿に強烈に惹かれたのです。

今の私は、憧れのセーラのように振舞えているだろうか、と大人になってからもよく考えます。

アルプスの少女ハイジ

こちらは小説よりもアニメの方がよく知られているのではないでしょうか。
実はかなりのボリュームがある原作ですが、小学生の頃の私は続きが気になって、一晩で読んでしまいました。

両親を亡くしたハイジは叔母の元で暮らしていたのですが、とある理由でアルムの山に住む祖父に引き取られます。
しかし、その祖父というのは、気難しい性格で知られている、とても評判の悪い人でした。

ハイジに対してもそっけない態度をとっていたおじいさんですが、心優しく愛らしいハイジと暮らすうち、次第に情のある部分を取り戻していきます。
ヤギ飼いの少年・ペーターや足の不自由な少女・クララといったキャラクター達も、それぞれに魅力があります。

原作はアニメと違い、神への信仰が重要なポイントとなっていますが、そういった点も含め、改めて読み直してみたい作品です。

少女パレアナ

少女パレアナはエレナ・ホグマン・ポーターによる感動の小説です。
成人した今となっても、涙なしには読み終えることができません。

主人公のパレアナは、父と共にとあるゲームを続けている少女でした。
それは、「何に対しても喜ぶ」というものです。
どんな状況に遭遇しても、パレアナは喜びを見出し、「嬉しいことだわ」と繰り返します。

そんなパレアナは父を亡くし、冷たいパレーおばさんの元へ引き取られました。
時折くじけそうになりながらも、パレアナの「何に対しても喜ぶ」ゲームは、パレーおばさんのみならず、町中の人を変えていきます。

明るく前向きな少女が様々な困難を乗り越えていく物語は、多くの人の心に喜びと勇気を与えてくれます。

あしながおじさん

「胸キュン」という状態を実感したのは、ジーン・ウェブスターの小説『あしながおじさん』が最初だったように思います。

主人公は、孤児院で暮らしていたジュディという少女。
憂鬱な日々を過ごしていたジュディですが、彼女の文才がとある資産家の目にとまり、大学進学のための援助を受けることになります。

ジュディは支援者である「あしながおじさん」に宛て、定期的に手紙を送ります。
その文章の、なんとユーモアに満ちていることか。
ジュディの手紙を読み進めていくだけでも面白いのですが、年頃になった彼女の恋愛も気になるところです。

ネタバレになってしまうので詳しくは書けないのですが、『あしながおじさん』を二度三度と読み返すたび、「なるほど、そうだったのか」と、もう胸のときめきが止まりません。

また、ストーリー展開だけではなく、「書簡体小説」という形態からも学ぶことが多いのではないでしょうか。

(※参考→書簡体小説-Wikipedia

オズの魔法使い

『オズの魔法使い』はライマン・フランク・ボームの冒険ファンタジー。

主人公のドロシーは家ごと台風に吹き飛ばされ、遠く離れたオズの国へと来てしまいます。
彼女は故郷へと帰るため、道中で出会った仲間達と共に「オズの魔法使い」の元へ向かう、というストーリーです。

全体の構成力が高く、序盤の伏線が綺麗に回収されていくのには、幼心に感動を覚えました。
ドロシーと仲間達が成長していく過程には、未知への期待感がぎゅっと詰まっており、大人でもワクワクできる作品です。

霧の向こうの不思議な町

『霧の向こうの不思議な町』は、柏葉幸子の児童向け作品です。
ジブリの名作『千と千尋の神隠し』は、この作品からの影響を受けていることを、宮崎監督自らが明らかにしています。

主人公は、小学6年生の少女リナ。
霧の谷で迷子になったリナは、見たことのない町へたどり着きます。

リナは、ピコットばあさんという、とても意地悪なおばあさんの屋敷で暮らすことになります。
「働かざるもの食うべからず」ーーそれが、ピコットばあさんの口癖でした。

働いたことなんてないリナですが、ご飯を食べるためには、なんとか労働をしなくてはなりません。
一筋縄ではいかない住人達と関わりながら、リナは少しずつ成長していきます。

私も最初こそ「変な町だな、嫌なところだな」と思っていました。
しかし、物語が進むにつれ、個性的な町の住人へどんどん惹かれていくのです。

読み終わる頃には、きっと誰もが「この町へ行ってみたい」と思うことでしょう。
子供の憧れるロマンの詰まった、素晴らしい作品です。

若草物語

ルイザ・メイ・オルコットによる人気シリーズの第1巻です。

作中では、慎ましく暮らす4姉妹の成長が描かれています。
穏やかな性格の長女メグ、活発で短気な次女ジョー、内気な三女ベス、おませな末っ子エイミー。

誰に感情移入して読むかによっても、この小説の楽しみ方が大きく変わってきます。

私が特に好きなのは、作家志望で、作品の中心人物でもある次女のジョーと、大人しい性格ながら芯には強い意志を持つ三女のベスです。

長所も短所もある等身大の少女達は、小学生だった自分も親しみやすかったように思います。

八人のいとこ

『若草物語』と同じく、オルコットによる少女小説です。
『赤毛のアン』の訳者として有名になった村岡花子ですが、実は『八人のいとこ』の翻訳も行っています。

村岡ファン必見の一作と言えるでしょう。

『八人のいとこ』の主人公は、ひ弱な少女ローズ。
両親を亡くしたローズは叔母達に引き取られ、これ以上ないほど甘やかされていました。

そんな時、新たな後見人としてアレックという叔父が現れます。
心も体も弱っていたローズは、『アレック叔父様』の荒療治で健やかな少女に変わっていくのでした。

このダンディなアレック叔父様も素敵なのですが、ローズをとりまく七人のいとこ達も魅力的です。

なんと、ローズ以外のいとこは全て男の子。
今でいう逆ハーレムという状況です。
当時の私は主人公のローズが羨ましくてなりませんでした。

優しく献身的なローズと、個性的ないとこ達。
そして淑女となるよう導いてくれる素敵な叔父様……。

教訓的な内容が多い『八人のいとこ』ですが、説教臭く感じないのは、1人1人のキャラクターに愛を感じられるからではないでしょうか。
いつまでも思い出として残る、美しい少女小説です。

さいごに

この他にもおすすめしたい少女小説がたくさんあるのですが、今回は厳選して9作品とさせていただきました。

思い出の小説を読むと、まるで当時の感覚が蘇ってくるかのようです。
日常生活では忘れてしまいがちな、小さくとも尊いものが、少女小説の中にはたくさん詰まっているように感じます。
いつまでもこういう小説に感動できる感受性を持っていたいなあ、なんて考えたり。

人生の節目節目に、ゆっくりと読み返してみたいですね。

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神田 澪
taskey Uアンバサダー。全国にときめきを届けたい大学生ライター。ゲーテとゲームが好き。taskeyではエンタメ小説を書きつつ、時々センチメンタルポエマーになります。

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