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「良い小説」は、「日常のモヤモヤを言葉にしてくれる」小説である

公開日: : 最終更新日:2016/02/26 小説ノウハウ

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こんにちは、taskey U編集部の伊藤です。

突然ですが、「良い小説」とは何だと思いますか?

「面白い小説」だと言う人がいるかもしれませんが、面白いだけの小説は「良い小説」でしょうか?

「読みやすい小説」だと言う人もいるかもしれませんが、読みやすいだけの小説は「良い小説」でしょうか?

この他にも様々な意見があるかと思いますが、今回は私が思う「良い小説」について考えていこうと思います。

日常のモヤモヤを言葉にしてくれる

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小説を読むとき、ストーリーを楽しむことはもちろんですが、私は「良い文章」を常に探し続けています。

ですから、私にとっての「良い小説」とは「良い文章」をたくさん含んでいる小説ということになります。

「良い文章」というのはちょっと抽象的すぎるのでもっと限定すると、「日常のモヤモヤを言葉にしてくれる文章」ということになるでしょうか。

具体例もあげましょう。私が思う「良い文章」の例として、綿矢りさ氏『インストール』内の以下の文章があります。

媚びの武器としての不器用は軽い笑いを誘う可愛いものだけれど、本当の不器用は、愛嬌がなく、みじめに泥臭くて、見ている方の人間をぎゅっと真面目にさせるから。

via:『インストール』

「ドジっ子キャラ」という認識が私たちの中でできあがっていて、不器用=可愛いという等式を否定することは難しいでしょう。

しかし、現実世界に目を向けてみれば、不器用な人にイライラすることもある。

そんな事実を生々しく提示したのが、この文章なのです。もちろん、本当の不器用がみじめに泥臭いことなんて誰でも気づいているはずなのですが、それをちゃんと文章にして認識させるところが、「良い文章」たる所以なのです。

この他にも、『インストール』は女子高生視点で様々なモヤモヤとした事象を言語化していきます。この小説を何度も読み返してしまうのは、私が日ごろ抱えているモヤモヤに名前がついていく感覚が心地良いからでしょう。

「良い小説」は変わっていくし、増えていく

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当たり前のことを言うようで恐縮なのですが、「良い小説」は人それぞれです。

それは、「良い小説」の定義が人それぞれということでもありますし、私の定義する「良い小説」においても、その対象は変わることがあります。

そもそも「良い小説」も「良い文章」も非常に主観的なものです。先ほど例にあげた『インストール』の一文を、あまり良い文章だと思わなかった人もいるかもしれません。

私もいわゆる「名作」を読んでも「良い小説」だと思わないこともあります。これは、主観的な判断だから仕方のないことです。

しかし、過去に読んだものがある日突然「良い小説」になることもあります。

何気なく日々を送って、何となく以前読んだ小説を読み返してみると、それが驚くべきほど「良い小説」になっていたりします。

先ほど、「良い文章」とは「日常のモヤモヤを言葉にしてくれる文章」という風に書きました。

私たちが普段抱えているモヤモヤは、各人の経験によって違うはずです。生きていくうちに、色んな場面に出会って、様々なモヤモヤに出会うことでしょう。

ですから、「日常のモヤモヤ」が増えていくにつれて、「良い文章」も増えていくことになります。それはそのまま、「良い小説」が増えることにも繋がるのです。

「良い小説」は自分で作る

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「良い小説」は各々の経験量に比例して増えていくので、待ってるだけではたくさんの「良い小説」に出会うことはできません。こちらから迎えに行くことが肝要なのです。

いつも行かないような場所に行ってみましょう。自分には合わなそうだと敬遠していたお店に入ってみましょう。

そして、様々なものに疑問を持ち、「なんでだろう」と考えてみましょう。

それらは全てあなたの経験となり、「良い小説」と出会うきっかけを作ってくれるはずです。

まとめ

今回は、私の考える「良い小説」について書かせていただきました。

皆さんの考える「良い小説」は一体どのようなものでしょうか? ぜひ、Twitterのハッシュタグ#良い小説の条件にご投稿ください!

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伊藤 祥太
伊藤 祥太
「よく読み、よく書く」をモットーに。小説執筆に役立つ記事を書いています。「無間書房」という文芸同人の代表をしています。

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