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秋の夜長におすすめ! フランス小説5選

公開日: : 最終更新日:2016/02/26 おすすめ小説

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こんにちは、taskey U編集部の松下 安武です。これが初めての記事となります、よろしくお願いします!

さて、僕の専門分野は現代フランス小説なのですが、皆さんは「フランス文学」と聞いてどのようなイメージを持つでしょう? 大学の語学でフランス語を学んだ方もいるかもしれませんが、「文学」にまで視野を広げた経験は少ないのではないでしょうか。

今回はそこに着目し、フランス文学の作品を紹介しながらその魅力について考えていきたいと思います。

フランスという国と文学

まずは、皆さんがフランスにどんなイメージを持っているのかを調べてみました!

僕の知人を対象に行ったアンケートによると、ファッション、ワイン、フランス料理、シャンソン、エッフェル塔や凱旋門などのイメージが強いことがわかりました。ここから、 「華やかな美食の国」、「洗練された美的感覚」という印象が強い、と言えるでしょう。

このような明るいイメージの一方で、フランス文学は一種そうした文化から距離を置きがちです。有名な作品は多数ありますが、その多くが「陰鬱な」「どこかスレている」、独特の暗さが強いのが特徴です。

作品紹介

では、実際にどのような作品があるのか。20世紀以降の作品の中でよく知られており、読みやすい作品を紹介していきます。

アントワーヌ・ド・サン・テグジュペリ『星の王子さま』 (Antoine de Saint-Exupéry, Le Petit Prince

―大切なものは、目に見えないんだよ

いわずと知れたフランス文学の名作。皆さんの中にも子どもの頃に読んだことがある、という方もいるのではないでしょうか。

この『星の王子さま』、日本では児童文学としてよく知られていますが、実はこの作品が大人に向けて書かれている、というのはご存知ですか?

第二次世界大戦中に書かれたこの作品。前置きの文章には、「フランスに住む苦しんでいる人へ」というようなフレーズが登場します。

物語の中には、今でも胸に響くメッセージが散りばめられており、きっと人生の道しるべになることうけあいです。

アルベール・カミュ『異邦人』 (Albert Camus, L’Étranger

―今日、ママンが死んだ

この有名な書き出しから始まる『異邦人』。「不条理の文学」という範疇に収められるこの作品は、常に冷たく立ちはだかる世界の現実に立ち向かう主人公、ムルソーの姿を哲学的に描写しています。

原書のフランス語版でも特段複雑な文法はなく、語彙を理解できれば読めてしまうほど。フランス語の初級文法を学び、一冊本を読んでみたい、という方にはオススメです。

特に印象的なのはクライマックスのシーン。ムルソーが「太陽のせいで」アラブ人を射殺してしまう衝撃的なシーンは、胸の落ち着けどころがわからなくなるものの、人生の意味について問うきっかけになるかもしれません。

フランソワーズ・サガン『悲しみよ こんにちは』 (Françoise Sagan, Bonjour Tristesse

―「少女」が「女」になるとき

20世紀フランス文芸界を代表する女性作家、サガンの処女作。まだ弱冠18歳の作者が、揺れ動く同世代の少女の気持ちと美しい南仏の情景を描いた名作で、映画化もされた世界的にもファンの多い作品です。

父とその恋人と共にコートダジュールを訪れた主人公、セシルのひと夏の恋と成長。特におすすめしたい訳は河野万里子訳(新潮文庫)。訳者の紡いだことばによってセシルの葛藤が色鮮やかに描き出されています。

レーモン・クノー『文体練習』 (Raymond Queneau, Exercices de style

―圧巻!小説99面相

中世哲学に造詣が深く、『オディール』や『百兆の詩編』など、思想的影響を受けた実験的文体の作品で知られるレーモン・クノー。そんな彼の小説における実験の極致がこの『文体練習』に収められています。

「ある男が同じ人物を二度見かける」という現実味のあるストーリーを99通りもの文体で書き上げたその技術はさすがの一言。単なる読み物としてではなく、創作の教科書ともなるべき一冊です。

リシャール・コラス『旅人は死なない』 (Richard Collasse, Les voyageurs ne meurent jamais

―〈会うは別れの始まり〉

最後に、日本に縁のある作家の作品を一つ。リシャール・コラスは、日本在住の小説家として活動する傍らシャネル日本法人の社長を務める人物として知られており、日本を題材した作品を出版しています。今回はその作品群とは趣向の違う短編集をご紹介。

表題の通り《人生の旅》をテーマにした作品が約20作収載されており、僕の好きな作品は「車輪は回る」。コラス自身が語る「短編では、不用意な読者を幻の世界へ連れ去る物語の獰猛な力」を意識させる作品です。

まだまだ続くフランス文学の世界

いかがでしたか? もちろん、ここで取り上げた作品は数あるフランス文学の作品の中のごく一部ですが、これをきっかけに読者の皆さんがフランス文学への興味を持ってくれれば幸いです。

今後も皆さんに海外文学の魅力やさまざまな情報をお届けしていきます。お楽しみに!

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松下 安武
松下 安武
日夜フランス文学と小説について考えて生きています。都内大学3年で、フランス現代文芸論を専攻。食べることと旅が好き。皆さんの創作意欲に訴えかけながら、様々な情報をアクティビティを交えつつ提供していきます!

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