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やさしい日本語で書かれた優しい小説5選

公開日: : 最終更新日:2016/02/26 おすすめ小説

nekoya

はじめまして。この度アンバサダーの一員に加えていただくことになった猫屋ちゃきです。

自分の創作に熱中していると、あまり小説を読む時間が取れませんよね。そして、いざ読もうとするとなかなか文章が頭に入ってこなかったり、物語に没頭できなかったりということも。

また、書くのは好きだけれどあまり小説は読まない・読むのは苦手という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、そんな方たちでも読みやすい小説を紹介したいと思います。

カフェかもめ亭

こちらは、児童文学作家として知られる村山早紀先生の作品。この記事を読んでいる方の中にも『シェーラひめのぼうけん』シリーズや『はるかな空の東』などを読んで大きくなった方もいるのではないでしょうか。

この作品には、カフェ・かもめ亭を訪れたお客様たちがマスターの広海さんに語った不思議な話が八つ収められています。

悲しいお話、心温まるお話、切ないお話、などなど。どのお話も特別に淹れられた珈琲や紅茶のように、じんわりと心にしみわたります。

元々ヤングアダルト向けに刊行された作品でしたが、大人の心にこそしみる童話だと思います。『ねこしまさんのお話』は、私は涙なしに読むことができませんでした。

もしこの作品がお気に召しましたら、この作品と同じく不思議の街・風早が舞台の姉妹編『コンビニたそがれ堂』シリーズもどうぞ。

かのこちゃんとマドレーヌ夫人

こちらは『鴨川ホルモー』や『プリンセス・トヨトミ』などで知られる万城目学先生の作品。

この物語はタイトルの通り、小学生になったばかりの女の子“かのこちゃん”と、かのこちゃんが飼っている猫の“マドレーヌ”が主人公です。

マドレーヌには犬の夫がいて、そして外国語が理解できるということから、他の猫たちから敬意を込めてマドレーヌ夫人と呼ばれています。

そんなファンタジックなマドレーヌの日常と冒険を綴った目線と、好奇心の塊のようなかのこちゃんが様々なことに興味を持ち、様々なものに出会い成長する様子を綴った目線とで物語は構成されています。

かのこちゃんとお友達のすずちゃんのやりとりは、子供ならではのエキセントリックさに満ちていて面白いですし、マドレーヌ夫人と夫である犬の玄三郎との愛あるやりとりは、胸にじんときました。

クスリと笑いながら夢中で読めるのに、最後はホロリと泣ける、そんな素敵な物語です。

百瀬、こっちを向いて。

こちらは『GOTH』『きみにしか聞こえない』などで知られる乙一先生の別名義、中田永一先生の表題作を含む四編からなる恋愛短編集。

表題作『百瀬、こっちを向いて。』は、主人公が命の恩人である先輩に頼まれて、先輩の二股相手と恋人のふりをすることから物語は始まります。

この主人公、自分のことを“人間レベル2”と称するだけあってすごく不器用なんです。そんな不器用な主人公が、百瀬という少女と恋人のふりをする中で、これまで知らなかった感情を知っていくという切なくて甘酸っぱいストーリーです。

収録されている四編すべてに共通しているのは、主人公たちがみな実直で不器用だというところ。そんな主人公たちが勇気を出して一歩踏み出す姿に、気がつけばグイッと物語に引き込まれてしまいました。

それぞれの物語にはどれもちょっとしたカラクリが散りばめられていて、それが読後に気持ちの良い驚きを与えてくれる一冊です。

荒野

こちらは直木賞作家・桜庭一樹先生の作品なのですが、『赤朽葉家の伝説』や『私の男』のような陰鬱さは全くないポップな作品です。暗め・硬めの桜庭作品で脱落してしまったという方にも安心して読んでいただけると思います。

主人公は山之内荒野という女の子。その荒野が十三歳から十六歳になるまでを三部構成で描いた物語なのですが、少女が女になるまでのキラキラとした儚い瞬間をたくみに描いています。

荒野の日常は、恋愛小説家である父と、彼を取り巻く女たちによって常にグラグラと揺れ動いています。そんな中で戸惑いながらも荒野は友達をつくり、恋をして、どっこい成長していくのです。

やわらかな文体で綴られる荒野という少女のきらめくような成長物語は、今まさに十代の方にも、もうすでに大人になってしまった方にもオススメです。

こうばしい日々

こちらは、しっとりとした大人の恋愛小説というイメージが強い江國香織先生の初期の作品。

アメリカで暮らす小学五年の男の子・大介の、刺激的で楽しくて、でもちょっぴり憂鬱なこともある日常を描いた『こうばしい日々』。
結婚した姉の元ボーイフレンド・次郎くんに幼いながらも想いを寄せるみのりの、甘くて、でも切ない恋を描いた『綿菓子』。
以上の中編二編が収録されています。

どちらも十代初めの子たちが主人公なのですが、男の子と女の子ってこうも違うのだなぁということを比較して読むのも楽しいかもしれません。
大介は徹頭徹尾“男の子”という生き物なのですが、物語が終わる頃、みのりは立派な“女”になっています。

江國先生のお洒落な筆致で描かれる、純粋で甘くて、でもベタベタしすぎない心地よい物語です。

おわりに

まだまだ紹介したい本はたくさんあったのですが、今回は「やさしい日本語で書かれた」「優しい小説」に絞ろうと思い、上記の五作品を選びました。どれも本当に読みやすいので、ぜひお手にとってみてください。

これから読書の秋を迎えます。この記事がみなさんの読書ライフを豊かにする一助となれば嬉しいです。

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猫屋 ちゃき
taskey Uアンバサダー。創作ユニット千ノリQ(びん猫家)の一員。漫画原案やシナリオを担当しています。 小説を読むのも書くのも好きで、主に恋愛やファンタジーに力を入れて執筆中です。 いくつになっても胸がワクワクきゅんきゅんすることを大切に生きていきたいと思っています。

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