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食べ物が美味しそうな小説7選

公開日: : 最終更新日:2016/02/26 おすすめ小説

tabemono_syousetsu
こんにちは、猫屋ちゃきです。

日に日に秋が深まってきていますね。
秋といえば皆さんにとっては読書の秋でしょうか。
秋の夜長に布団の中で大好きな本を読むって、すごく幸せな時間ですよね。

でも、私にとって秋といえば食欲の秋も外せません。

というわけで、今回は食べ物の描写が美味しそうな小説7選をお届けします。

和菓子のアン

和菓子のアン (光文社文庫)
坂木司先生のこの作品はタイトルの通り和菓子が気になる一冊です。

ちょっとぽっちゃりめの杏子は高校を卒業しても夢も目標もなく、このままではいけないとバイトをしようと思い立つ。
そして雨宿りに立ち寄ったデパートの和菓子屋で縁あって働くことになった。
仕事はできるのにギャップが激しい店長、イケメンなのに乙女な社員、とキャラの濃い人々に囲まれながらもアンちゃんこと杏子は和菓子の魅力にどんどん目覚めていく……。

お客さんの不思議な行動を和菓子を絡めて謎解きしていくという日常ミステリーなのですが、主人公のアンちゃんがぽっちゃりさんということで、どうにも出てくる和菓子がすべてとんでもなく美味しそうに感じられるんです。

そして、それぞれの和菓子に込められた意味や遊び心というものをアンちゃんと一緒に学ぶことができ、これまで和菓子が身近ではなかった人もきっと興味を惹かれるでしょう。
私もこの本を読んで以来、和菓子を見る目が変わりました。

季節の和菓子とお茶と一緒に楽しみたくなる、素敵な和菓子ミステリーです。

ハピネス

ハピネス (小学館文庫)
この作品は嶽本野ばら先生の瑞々しい十代の純愛を描いた感動作品ですが、読みながらカレーに思いを馳せてしまう一冊です。

履いていた靴下がきっかけで仲良くなり、付き合うことになった僕と彼女。
あるとき彼女は、ずっと憧れていたロリータファッションブランドのお洋服に身を包んで待ち合わせ場所に現れて僕に告げた。
「私ね、後、一週間で死んじゃうの」
そこからの一週間を、僕は彼女の望みを叶えるために過ごす。
カレーを食べ、お泊まりをして、憧れのブランドの本店に行き、高級なカレーを食べ、彼女は僕と一緒に最後のときまで彼女らしく生きる。

この物語で気になる食べ物はずばりカレーです。彼女がこの上なく好きな食べ物ですから。

おうちのカレー、お店のカレー、高級レストランのカレーと様々なカレーが出てきますが、ただ単にカレーが食べたくなるというより、無邪気で愛らしい彼女を思ってカレーを食べたくなるんです。

読了後さんざん泣いて、私は物語の中に出てきたお店へ行き、彼女が気に入って食べていた海老フライカレーゆで卵のせを食べました。

懐具合に余裕のある方は、作中に出てくる一万五千円のスペシャルなカレーが食べたくなるかもしれません。

しゃばけ

しゃばけ (新潮文庫)
畠中恵先生の江戸を舞台にした人情推理小説であるこの作品は、江戸時代の食べ物に心惹かれる一冊です。

薬種問屋・長崎屋の一人息子である一太郎は、とんでもなく体が弱い。
それなのにある夜こっそり外出して、殺人事件に遭遇してしまう。
それは連続殺人事件へと発展していき、どうにも異様さを感じた一太郎は仲間の妖怪たちと一緒に事件解決へと乗り出すのだ。
事件を追ううちに一太郎は危険な目に遭ったり、自身の秘密を知ったりすることに……。

主人公である一太郎は小さな頃からあやかしが見え、そのせいか妖怪に囲まれて暮らしています。
一太郎の住まう離れでは、いつも妖怪たちがワイワイガヤガヤしていて楽しそう。そして、囲んでいるお菓子が美味しそうなんです。
一太郎の親友栄吉が作る饅頭は、不味いと評判なので遠慮したいですが。

『しゃばけ』シリーズは読んでいると気になる食べ物がたくさん出てくるのですが、シリーズ10作目の『やなりいなり』ではついにレシピがついてきます。

それからはスープのことばかり考えて暮らした

それからはスープのことばかり考えて暮らした (中公文庫)
涼しくなってくると私がふと読みたくなるのが、吉田篤弘先生の『それからはスープのことばかり考えて暮らした』です。

主人公オーリィくんは仕事を辞めたのを期に引っ越しをした。新しく引っ越したアパートの近所にあるサンドイッチの店「トロワ」に通いつめるうち、オーリィくんはそこで働くことになる。
繁盛していた「トロワ」だが、寒くなってきたせいか駅前に安いコーヒーの店ができたせいか、客足が少しずつ減り始めていた。そこで、まかないで美味しい味噌汁を作る腕を見込まれたオーリィくんは、店に出すスープを作ることになって……。

とにかくサンドイッチが美味しそうで、読みながら私はサンドイッチのことばかり考えていました。

もちろんタイトル通りスープのことも考えてしまうのですが、お供にサンドイッチが欲しくなる本です。

同じ著者の「つむじ風食堂の夜」も美味しそうな料理がたくさん出てくる素敵な本でオススメです。

植物図鑑

植物図鑑 (幻冬舎文庫)
映画化が話題となっている有川浩先生の『植物図鑑』も読みながらお腹が空いてしまう本です。

さやかは飲み会から帰った夜、住んでいる集合住宅の植え込みに座り込む男を見つける。
「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。咬みません。躾のできた良い子です」
という言葉を聞いて気に入ったさやかは、彼を家にあげることにする。
風呂を貸し一晩泊め、そのお礼にと美味しい朝食を振る舞われたさやかは彼を手放せなくなり、宛がないならと同棲を持ちかける。
そうして始まるさやかとイツキの、同棲しているのにジレジレな恋愛ストーリー。

二人の恋模様も気になるのですが、私は読んでいる間中イツキが山菜や野草で作ってくれるご飯のことばかり気になっていました。

田舎育ちの私にとって山菜採りなんて楽しいけれどスタイリッシュな思い出ではなかったことが、さやかとイツキがやると何だかオシャレなのもポイントです。羨ましい!

巻末にイツキの“道草料理”レシピも載っています。

うさぎパン

うさぎパン (幻冬舎文庫)
瀧羽麻子先生のこの作品は、食事というよりパンが美味しそうな本です。

15歳の優子は、パン好きという共通点から同級生の富田くんと仲良くなり、家庭教師としてやってくる大学院生の美和ちゃんとも仲良くなり、どんどん世界が広がっていく。
継母であるミドリさんとの関係も良好で、富田くんとのパン屋めぐりや、美和ちゃんたちとのダブルデートなどドキドキすることがありながらも平和な日々を過ごしていた。
けれどある日、優子が3歳のときに亡くなった母親である聡子さんが蘇って……。

優子が成長していくのんびりと柔らかい物語で、その雰囲気とあいまって優しい気持ちになるようなパンが恋しくなります。
初々しい二人が毎週パン屋めぐりをしているというのが可愛くてほっこりするのですが、そんなことより私はパンが食べたい。

優子の記憶の中にある「うさぎパン」の秘密がわかるとき、ホロッと泣けちゃうんですけどね。

収録されている『はちみつ』という書き下ろし短編にも、とっても美味しそうな食べ物の描写が出てきます。
美和ちゃんの友人の桐子が失恋をきっかけに食事がとれなくなってしまうのですが、吉田先生という大学教授と知り合って交流していく中で傷を癒していきます。
この吉田先生の持参するお弁当がとにかく美味しそうなんです。

読後優しい気持ちになりますし、きっとパンが食べたくなる一冊です。

幸福な食卓

幸福な食卓 (講談社文庫)
瀬尾まいこ先生の『幸福な食卓』は、家族と囲む食卓そのものに心惹かれる一冊です。

佐和子はお父さんと兄の直ちゃんとの三人暮らし。お母さんは、ある出来事がきっかけで疲れてしまって別居している。
それなのにある朝、お父さんが「父さんは父さんを辞めようと思う」だなんて言い出した。
それでも、佐和子と直ちゃんはそれを受け止め、自分達の生活を続けていく。別居しているお母さんにも会いに行く。

そんな生活の中で勉強を頑張ったり恋をしたりする佐和子の成長を描いた物語です。
生きること、死ぬこと、そして家族とは……そんなことをシリアスになりすぎずほのぼのと描いています。

タイトルの通り、食卓がよく出てくるため読みながらついつい食べ物のことが頭に浮かぶんです。

子供と離れて暮らすようになって料理にも遊び心と冒険心を持つようになったお母さんの、ちょっと変わったご飯は作ってみたくなります。

でも何より私が食べたくなったのは、直ちゃんの破天荒な彼女・ヨシコの作るシュークリーム!
卵の殻が入っていようが、何だか雑に作られていようが、物語終盤で深く傷つく出来事に直面した佐和子のためにヨシコが焼くシュークリームは、きっと優しくてとびきり美味しいのだと思います。

おわりに

いかがだったでしょうか。
ほかにも食べ物が美味しそうな小説はたくさんありますが、今回はこの7作品にしぼって紹介しました。

食べることはすなわち生きること、と言い切ってしまうと大げさですが、食物が体を作っていることは確かです。

面白い作品を読むと、その登場人物たちがどのような食べ物を食べて生きているかを描写することも実は大切なのだなぁと気づかされます。

ストーリーの中で言及しなくても、キャラクターを生み出すときにどのような食生活をしているかということも考えると、より魅力が増すかもしれませんね。

みなさんにとっての「食べ物が美味しそうな小説」もぜひ教えてください。

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猫屋 ちゃき
taskey Uアンバサダー。創作ユニット千ノリQ(びん猫家)の一員。漫画原案やシナリオを担当しています。 小説を読むのも書くのも好きで、主に恋愛やファンタジーに力を入れて執筆中です。 いくつになっても胸がワクワクきゅんきゅんすることを大切に生きていきたいと思っています。

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