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稀代のストーリーテラー 伊坂幸太郎のおすすめ小説7選

公開日: : 最終更新日:2016/02/26 おすすめ小説

isakaosusume

こんにちは、taskey U編集部の伊藤です。

小説好きで伊坂幸太郎の名前を知らないという方はいないでしょう。

2000年に新潮ミステリー倶楽部大賞を受賞してデビューと、ミステリー畑出身の伊坂幸太郎氏ですが、現在では様々な作風の作品を世に送り出しています。

そんな稀代のストーリーテラー、伊坂幸太郎氏の作品の中から、私が厳選したおすすめの7作品を紹介させていただきます!

オーデュボンの祈り


2000年に出版された、新潮ミステリー倶楽部大賞受賞作であり、伊坂幸太郎氏の処女作でもあります。

舞台は、江戸時代から鎖国をして外界との連絡を断っている島、荻島。

嘘しか言わない画家、園山。島の法律で殺人を許されている男、桜。未来を予測できる案山子、優午。その他ユニークな人物が登場するのが特徴です。

私が初めて読んだ伊坂氏の作品は、この『オーデュボンの祈り』でした。当時は児童文学やYAなどを好んで読んでいたのですが、この作品を読んで新たな読書の扉を開くことができました。

ミステリーだけど、ミステリーではない。伊坂氏は、『オーデュボンの祈り』に限らず、既存の物を疑う姿勢を貫いているように思われます。

まずはぜひ、処女作を読んで伊坂ワールドを体感してみてください。

重力ピエロ

「春が二階から落ちてきた。」

『重力ピエロ』は、印象的なこの言葉から始まります。

仙台で起こる連続放火犯の謎解きに挑む兄弟、泉水と春。2人の間に隠された秘密も、物語が進むにつれて徐々に明らかになっていきます。

この作品で第1回本屋大賞にノミネートされて以後、伊坂氏は共著をあわせて10回も本屋大賞にノミネートされています。

泉水と春の兄弟の2人の会話も素敵なのですが、泉水と父親2人の関係性にも注目したいところ。「家族」とは何だろうということを考えさせられます。

アヒルと鴨のコインロッカー

物語は、書店から広辞苑を強奪しようとするところから始まります。そういえば、伊坂作品には犯罪に巻き込まれる話が多いような……。

また、突飛な物語の始まりとたくさんの奇人・変人というのも、この作品の特徴であり、伊坂作品の特徴とも言えるでしょう。隣人に書店強盗を持ちかける人も奇人だし、それを何だかんだで受けてしまう主人公も十分に変人です。

2つのストーリーが交互に語られる構成となっており、ストーリーテラー伊坂幸太郎の才能が余すところなく発揮されています。

いわゆる「どんでん返し」がお好きな方にはぜひ読んでいただきたい作品です。タイトルの『アヒルと鴨のコインロッカー』にも、ちゃんと意味がありますよ。

ゴールデンスランバー

2008年本屋大賞受賞作品。ケネディ暗殺事件の実行犯とされているオズワルドをモデルとして、首相暗殺事件の犯人にされてしまった主人公を描きます。

伏線を巧みに扱うのが伊坂作品の特徴ですが、この作品は特に完成度が高い! また、政治や社会の仕組みを理解していることが非常によく分かり、頭の良い人ではないと書けない小説だなあと読みながら痛感します。

陰謀論が好きな人には特におすすめできる作品です。果たして、主人公は最後まで逃げきれるのか? 逃げきれるとして、どのような結末を迎えるのか? ぜひ読んでご確認ください。

チルドレン

伊坂氏はいくつか短編集を出していますが、私が一番好きな短編集が『チルドレン』です。

個性的な登場人物が出てきて、どの話も面白いですが、私の一番好きな人物は「陣内」です。伊坂作品すべてを通しても、一番好きな人物と言っていいかもしれません。

普段は不真面目で無茶苦茶な論理を振りかざすな陣内ですが、実はやる時はやる男。しかも、さりげなく人のために何かをできてしまうのがかっこいい!

実際に陣内みたいな人が友人にいたら迷惑千万かなとも思うのですが、憧れざるを得ない魅力があります。

砂漠

伊坂作品には珍しく、大学生ばかりが登場する青春小説。しかしそこは伊坂氏ですから、色々な仕掛けが施されています。

西嶋という男が非常に存在感を放っているのですが、この西嶋がダサい。ダサすぎる。しかし、ダサいのに何故かかっこいいというのが不思議なところ。
『砂漠』の中で、私が一番好きな人物です。

また、構内一の美少女である東堂、微妙に超能力が使える南、女好きで金持ちの鳥井と、個性的かつ魅力的な人物が多数登場します。

この物語では麻雀が物語の鍵となるのですが、麻雀を知らない方でも楽しめますし、むしろ麻雀がやりたくなってきます! 私も、これを読んで麻雀を始めました。

キャプテンサンダーボルト

最後は、少し変化球を。

『キャプテンサンダーボルト』は、小説作品には珍しく2人の作家によって書かれています。伊坂幸太郎氏とタッグを組むのは、芥川賞作家の阿部和重氏。2人が4年の歳月を費やして書いた小説が、面白くないわけがない!

タイトルにもなっている「キャプテンサンダーボルト」がこの物語の鍵となるのですが、それは過去の秘密を暴く鍵でもあり、現在の問題を解決する鍵でもあるのです。

また、アクションシーンがあるのも面白いところ。私はどうしても洋画のアクションシーンが苦手なのですが、この小説に書かれているアクションシーンは、大変面白く読むことができます。

まとめ

本当は読んだ作品をすべて紹介したいところなのですが、「はじめて伊坂作品を読む人には何をおすすめしたら良いだろうか?」という基準で7作品にまで絞らせていただきました!

伊坂氏の作品は映画化されているものも多いので、原作と比べてみるのも面白いですね。

ぜひ、伊坂ワールドにどっぷりと浸かってみてください!

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伊藤 祥太
伊藤 祥太
「よく読み、よく書く」をモットーに。小説執筆に役立つ記事を書いています。「無間書房」という文芸同人の代表をしています。

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