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小説は読者によって変化する 「想定と違う読み方」を受け入れよう

公開日: : 最終更新日:2016/02/26 小説ノウハウ

変化する小説1
自分の想像をうまく形にできない…そんな悩みを抱えているクリエイターは少なくないと思います。

想像を形にするときには、その間にどうしても差がうまれてしまうもの。

さらに、文字で表現する小説であれば「言葉で想像を読者に伝えられるか」も重要であり、作者が不安に思うことの1つでもあるはずです。

イメージしたものを伝える文章力を鍛えることは大切ですが、言葉で表現する小説だからこそ、「作者が想定していない読者の想像」を許容することも重要です。

今回は、「作者の想定しない読み方」と「読者の誤読」を受け入れることの大切さをお伝えします。

再翻訳される小説

変化する小説2
「作者の想像」と「アウトプットした創造物」の間に差ができてしまうのは、ほとんどすべての創作活動に共通した悩みでしょう。

文字で表現される小説はさらに、「受け取り手が文章から想像を膨らませる力」が問われるという、書き手にはほとんど解決できない問題が存在します。

文字を通して、「イメージ」の再翻訳がなされるのが、小説の大きな特徴。

作者が小説を執筆するときにも想像とのギャップが発生するのに、小説を読んだ読者が想像するとき、作者とのギャップが生まれないはずはありません。

小説の書き手である作者ができるのは、自分の想像と小説の間にあるギャップを埋めることだけ。

小説を読んだ読者が想定外の読み方をしてしまったとしても、小説は誰かに読まれた時点で作者の手を離れてしまっているのです。

かといって、「自分の想像を読者に伝えきれないこと」を必要以上に悲観する必要はありません。

小説をはじめとした「文字で表現するもの」の強みは、「読み手によって変化する」というところにもあるのです。

読者の想像力と環境で、小説は変化する

変化する小説3
昔読んだ小説を読み返したら、印象や読後感、受け止め方が違ったという経験はありませんか?

感情移入をする人物が変わっていたり、昔は気付かなかった描写に驚かされたり…時には、ページをめくりそこねて1ページ飛ばして読んでいたことに数年越しに気付いた、なんてこともあるかもしれません。

読者に読まれ、想像されることで完成する小説は、読者の成長や環境の変化によって、また形を変えることがあります。

1人の読者が数年越しに読みなおしただけでも読み方が変わるのですから、作品を読んだ人それぞれで読み方が違うのは当然のことと思えませんか?

作者が書いたたった1本の小説は、読んだ読者の数だけ、その頭の中で新しい物語になります。

もしかしたら、「想定と違う読み方」は、自分の作品の新しい一面を発見するきっかけにもなるかもしれませんよ。

読者の「誤読の権利」を認めよう

変化する小説4
「読者には誤読の権利がある」と教えてくれたのは、大学の教授でした。

読み手の境遇や環境によって、文章の読み方は変わります。

受験生に「落ちる」「滑る」が禁句であるのと同じように、人にはそれぞれ「刺さる言葉」があります。

ですので、作者がなんとなく書いた文章が、読み手の心に刺さることも当然あります。それはいい意味かもしれませんし、悪い意味かもしれません。

「刺さる」ほど強烈でなくとも、似たような見た目の言葉があったら見慣れた単語として読んでしまう脳の働きや、目の疲れなどが原因でも起こる読み飛ばしなどは、小説を読みなれている人ほど身に覚えがあるはずです。

そういった「誤読」を否定していては、創作活動を長く続けることはできません。

誤読を読者の権利として認めることで、もっと楽な気持ちで小説を書けるはずです。

おわりに

いかがでしたか?

想像を形にするために文章力を鍛えることは大切ですが、あまり突き詰めて考えすぎないことが創作活動を長続きさせるための秘訣です。

「誰が読んでも同じように感じる小説」ではなく、「読んだ数だけ変化していく小説」を目指してみるのはいかがでしょうか。

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飯泉 涼花
飯泉 涼花
文章を書くことばかり考えています。大学では小説創作を専攻し、創作のノウハウや批評の仕方などを学んできました。クリエイターのみなさまの創作意欲を刺激する記事が書けるよう、頑張ります!

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