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小説を書くという“消極的”な選択について

公開日: : 小説

syoukyoku (1)

こんにちは、taskey U編集部の伊藤です。

あなたが小説を書く理由は何でしょうか。
私の場合、今でこそ他の面白さにも気づき始めていますが、最初は「自分の世界を創り出したい」というのが大きな理由だったように思います。しかし、創作活動は何も小説に限られるものではありません。漫画を描いても良かったし、音楽を始めても良かったし、ゲームを作っても映画を撮っても良かったわけです。

その中で、なぜ「小説を書く」ということを選んだのか。正直に告白すれば、私の中に“消極的”な理由があったことは否めません。それは、「小説なら簡単に書けそう」という理由です。これは、小説を書いている方ならば全員が一度は考えたことがあることではないでしょうか。

小説はコストがかからない

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小説を書くことはなぜ“消極的”な選択になるのか。それは、小説を書くということへのコストの低さが理由の一つにあるのではないかと思います。

まず、費用がかからない。私は主にPCを使って執筆をしていますが、特別なソフトは使っておらず、ほとんどお金をかけることなく小説を書いて発表しています。もちろん、PCを買うのにもお金はかかりますが、現代はPCやスマホは生活にほぼ必須となっているので、これを「小説を書くためのコスト」と考えることはないでしょう。

他にも、高いキーボードを買ったり新しいディスプレイを買ったりと快適な環境を求めてお金をかけようと思えばいくらでもかけられますが、最小構成を考えれば紙とペンさえあれば書けるのが小説です。実際、私が小説を書き始めた小学生の頃は家にPCがなく、携帯電話も持っていなかったので、ノートに鉛筆で小説を書いていました。

絵も紙とペンがあれば描くことができますが、クオリティの高い絵を描くためには、小説よりもコストがかかることが多いのではないでしょうか。また、音楽をやるためには楽器や宅録のセットなどが必要になるでしょう。このように考えると、小説は非常に金銭面でのコストが低いと言えます。

また、学習コストが低いのも小説の特徴です。絵や音楽はある程度の練習が必要で、その練習を乗り越えて始めて形になります。でも、言葉なんて誰にでも書けるので、始めて書いた小説でもある程度は形になってしまいます。

私も、小学生の頃は漫画を描きたいと思っていました。しかし絵を描くのがあまりにも苦手で、“消極的”に小説を書くことを選択しました。おかげで、今でも絵を描くのが苦手で、漫画を描くなんてとんでもないといった感じです……。

入口は広く、奥が深い

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金銭的なコストも学習コストもほとんどかからないので、小説はとても入口が広いです。しかし、小説を書き始めると様々な壁にぶつかることでしょう。魅力的なストーリーを作るのは難しいし、覚えなければならない小説作法もいくつかあるし、文章表現も磨かなければならないし……私もずっと小説を書き続けていますが、こだわり始めると様々なことが気になります。

私は、小説を“消極的”に選択した自覚がありますし、それで良いとも思っています。

小説を書くことの魅力は、走ることに似ているのではないでしょうか。小説執筆も走ることも、やることは至ってシンプルで、ほとんど道具を必要としません。それゆえに、どんな人でも気軽に始めることができます。しかし、どちらも奥が深く、一度始めるとその魅力にどんどん引き込まれてしまいます。

たまに小説を書くことを“消極的”に選ぶ人を怒る人がいますが、私は全然いいんじゃないかと思います。むしろそうして、小説を書く人が増えればいいなと感じているくらいです。「漫画は難しいから、小説を書いてみようかな」という人がたくさん出てくれば素敵なことではないでしょうか。

もちろん、小説を書いたことがない人に「小説を書くのは簡単だからいいよね」と言われれば少しムッときます。でも、小説の難しさは小説を書いたことのある人にしかわからないのです。

小説を“積極的”に書く理由を見つける

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小説は“消極的”に書き始めてもいいと私は思うのですが、ずっと書き続けるのであれば、どこかで小説を“積極的”に書く理由が見つけないと書くのが辛くなってくると思います。というか、書き続けていれば書く理由は自ずと見つかるし、それを延々と問い続けていくはずです。

私は大学に入って演劇を始めたのですが、その活動を通して演劇でしか表現できないものを体感しましたし、比較を通して小説にしかできないことも学びました。たとえば地の文で状況を説明できるのは小説の強みです。演劇は状況すべてを映し出しますが、小説では描きたい部分を選択して描写することができます。また、一人称小説であれば、主人公の心情を違和感なく描写できるのもいいところです。

もちろん、漫画や音楽にもそれぞれの特徴があります。そして、それぞれに効果的な使い方があるでしょう。せっかく小説を書くのであれば、小説の特徴を把握して、それを効果的に発揮する方法を模索したいものです。

まとめ

小説を書くことは簡単です。だからこそ、“消極的”に小説を書くことを選ぶ人も多いです。しかしそれは決して悪いことではなく、そこからどんどんと小説のおもしろさに気づいていけばいいのだろうと私は考えています。

小説にしかできないことはなんだろう。これをひたすら考え続けることは大事でしょう。いつか完全に“積極的”に小説を書ける日が来ることを目指して、今日も執筆をしていきましょう!

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伊藤 祥太
伊藤 祥太
「よく読み、よく書く」をモットーに。小説執筆に役立つ記事を書いています。「無間書房」という文芸同人の代表をしています。

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