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アイディアをコミックにする為に私がとった、たった3つの方法 – 第2回 – 他人(ひと)に読ませるプロット作成術

公開日: : 最終更新日:2016/02/26 小説ノウハウ ,

どうも神威遊です。

本連載では、私が小説家として作品を執筆し、コミカライズ出版に至るまでの体験を、全3回に分けて連載させていただいております。

前回の記事はこちら(アイディアをコミックにする為に私がとった、たった3つの方法 – 第1回 – 良い準備とは?

前回の記事では、小説を執筆するにあたっての”いい準備”とは何かということを書かせていただきました。

第2回となる今回は、小説作品の骨組みであるプロットの書き方についてお送り致します。

失敗した経験を活かす

2308371224_8709c85d9e_o (1)Photo by Hans Gerwitz Flickr

前回の記事で紹介した失敗から、私は自分の武器がなんなのかを考え導き出したもの。
それは我流ではあるものの、自分の中で最大限に分析力を活かした《プロット》でした。

昔から、そういうものがある。ということは知っていましたし、本当は作らねばならないもの…ということも理解していたつもりでした。

が、実際はどうだったでしょう。

俗にいう《脳内プロット》という奴に頼っていたような気が……いえ、頼っていました。
全ての人たちがそうでないにせよ、心当たりがある人もいると思います。

「プロットなんて作らなくても、設計図は自分の頭にある。それで十分」と。

もちろん、それを地で行く人もいるでしょうし、その方がはかどる人も沢山いるでしょう。
ですが、これはあくまで僕の主観ですが、そういう種類の人たちというのは、所謂《天才肌》というタイプの作家さんなのではないかと思います。

ですから、私はそういう人に出会い、話す機会があれば素直に尊敬もしますし、嫉妬に近い感情も抱きます。なぜならば自分自身、脳内プロットで書くことが難しくなったから。

複数の作品を並行して書いていると、やはりごっちゃになったり、書きたかった描写やシーンを書き過ぎてから気づいたりと、とにかく思い通りのものが書けなかったのです。

それを悔しさだと気付いた時、どうしようもなく自分が情けなくなったものでした。

――ああ、自分はどうしようもなく凡人なのだな。

そう思うのでした。

ですが、時間はかかりましたが私はここから「凡人だからこその戦い方」を突き詰めることに決めたのです。
それが、後に現在まで続く“神威遊スタイル”の礎になったと言って過言ではないでしょう。

今の自分が得意なことを知る

3631665064_c3604847b5_oPhoto by Hans Hans Vink Flickr

話は変わりますが、その頃の私は、5年間務めたレストランチェーンを退職し、違う会社で努めていました。

長年勤めたレストランで、物事を理解するまで分析したり、人に物事を教えるのにどう教えたら理解してもらえるのかを分析するのに理論を解体して再構築したり、そういう思考型技術がついていました。

当然、会社ですから書面にして報告書を上げる事もありましたし、店内ミーティングなどでも資料を作ったり、ツールを作成したりという……《物事を文面にして起こす》ということもなんとなく出来るようにはなっていたのです。

更に、実は私は極端なほど小説を読みません。ですので、好きな作家はおろか好きな作品ですら質問されれば困ってしまうほどです。そういったことを加味して考えてみれば、自分がプロットを作る方が得意だというのは当たり前だったのかもしれませんね。

ともあれ、前述の失敗から自分に足りないものは『構成力』『企画力』『演出力』にあるんじゃないかと思い、それを一つの《設計図》として詳細を詰めた《プロット》をちゃんと作ってみよう、そう思ったわけです。

神威遊流プロット作成術

3341419492_ff1839e6f8_oPhoto by David Wall Flickr

そして、角川ホラー大賞の落選で自分の強味を自覚することが出来た頃、私の運命を変えたイベントが発表されます。

【プレミアムコミック原作賞】

この賞は、主に少年漫画を意識したストーリーを広く募集するというものでした。
これ自体に特に興味はなかったのですが、応募要項の中に興味深い記述を見つけたのです。

《プロット作品も応募可》

この項目に強く惹かれました。
幸い……というか、なんというか、私にはいくつか少年漫画向けの構想がありました。

ですがそうはいったものの、本編を書くと結構な長丁場になると予想されたので、実際に書くことはなかったのですが、プロットで応募可能ならば出してみようと思ったのです。

前述でもある通り、僕は報告書やらなんやらと《他人に見せることを前提とした文書》には気を使っていたので、これをプロットの形式として落とし込んでみてはどうか?と、思いついたのでした。

当時のエブリスタでは、プロットもあるにはあったのですが、“自分だけが分かっていればいいメモの代わり”的なものばかりで、第三者が読んでいても面白いものではありません。あくまで“誰が読んでも分かるような読みやすさ”が必要でした。

そこでは私はプロットを、『世界観』『ストーリースケジュール』『キャラ設定』『設定』という4つのブロックに分け、三部作の構成であると予定していたので一部を大体30ページ、計90ページほど(実際は100ページ弱で完結)に設定し、各部ごとにそれら4つのブロックで説明をしました。

プロットにありがちなのが、途中で結局本編みたいになってしまう事象があります。
書いている側が盛り上がり過ぎて、描写を入れ込んでしまう……というものです。

これを抑止するためにもブロック分けは絶対条件でした。

そして、これらのルールを守った上で、投稿したのです。

審査員特別賞

5428693024_3ab7a12bff_oPhoto by Lalit Shahane Flickr

よく当時を知らない人たちからは、「優勝したんですよね」と言われますが……違うんです。(落胆)僕は優勝ではありません。順位でいうのなら7位でした(14作中)

当時のイベントのシステムは、読者からの投票で順位が決定したからです。
ぶっちぎりで優勝を逃した僕は、「さすがにプロットが獲れないか」とため息を吐いたものです(優勝作は小説作品。プロット作品での決勝進出は、僕のを合わせて2作品でした)。

ですがこのころにもなると、優勝作品=書籍化・コミック化という絶対的な図式はすでに崩れていて、結局は選考役が作品を選出するシステム……という形になっていました。なので少しは期待した部分もありましたが……。

当時イベント開催時、決勝進出作品は作品の編集がロックされており、更新が出来ませんでした。まだ作品が途中だった(完結が必須条件ではなかった)ので、かなり不利に働くと思っていた僕は、なかば絶望的に思っていたのですが……一通のメールが全てを吹き飛ばしたのです。

【神威遊様の作品が審査員特別賞に選出されました】

この時、自分の考えは間違っていなかったのだと確信したのです。
なぜなら、新規書下ろしでプロットでのエントリー、しかも編集ロックがかかった時点のページ数はわずか30ページ……。

プロットと作品との関係

neourban hipster desktopPhoto by markus spiske Flickr

と、ここまで賞に再びエントリーするまでをご紹介しましたが、プロットを作る上でなにが重要かを振り返ってみましょう。

①人に読んでもらうことを意識する

……もうひとつ言い方を変えると「上司に提出する報告書のつもりで」。イメージしにくい方にはこう例えるとわかりやすいのではないでしょうか。

《自分だけが分かるプロット》ではなく、《他人に読んでもらうためのプロット》ならば、自分が読んでも他人が読んでもわかりやすいですよね。

②ブロックをわける

……書きたいことがたくさんあるのは痛いほどにわかりますが、プロットとは設計図であると同時に提出するならばある種の《企画書》ともいえます。きちんと、項目にわけ、ブロックを設けて書きましょう。

特に世界観と設定は混在しがちです。きちんと理解してもらうために書くことが、自分自身の理解力を高める訓練にもなるのではないでしょうか。

③出し惜しみをしない

……初めて出てきた項目じゃないか! とお思いの方もいらっしゃるかも知れませんが、そうではありません。結局、プロットとはこれが最大のキモなのです。

伏線やびっくりする仕掛けやアイディア、切り札として最後まで取っておきたい気持ちはみんな一緒だと思います。……が、プロットとはそれらを100%簡潔に伝えるための手段であるといえます。

そこに辿り着くための、読みやすさでありブロック分けであるのです。ですから、推したいポイントは出し惜しみしないで前面に押し出すことをお勧めします。

 

以上の3つのポイントを踏まえ、プロットが一般の作家にとって如何に大事だということは、お分かりいただけたでしょうか。

(2014/10/13現在 エブリスタ史上、プロット作品で受賞した作品は「学苑紋刀録 えんぶれむっ!」のみ)

 

次回はいよいよ最終回です。コミック原作賞の受賞から単行本発売に至るまでとお話しし、神威遊流の執筆への姿勢をお話ししたいと思います。

【次回記事】アイディアをコミックにする為に私がとった、たった3つの方法 – 第3回 – 執筆への姿勢

 

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神威遊
taskey Uアンバサダー。どうも神威遊です。taskeyをはじめに、エブリスタ・小説家になろう、そしてkindleでも活動しております。コミック『エンジ十二紋刀録』の原作者の顔もあり。オールラウンダーな作家を目指して精進中。

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